老健(介護老人保健施設)で医師として働く際には、以下の点に注意すると良いでしょう:
- 業務内容の理解:老健での医師の業務は、病院での医師とは異なります。主な業務は入居者の健康管理や健康指導で、本格的な医療行為は少ないです。また、施設長を兼務することが一般的で、施設の運営や財務管理も行います。
- 適切な人材配置:老健では、医師が施設長として、老健で働く職員の人材管理に携わります。施設の運営を円滑に進めるために、配置基準に基づいて施設内の職員を適切に配置し、管理を行うことが求められます。
- コミュニケーション能力:老健の医師は、医療スキルよりもコミュニケーション能力や人間関係の構築が大切とされています。患者と深く関わることが求められ、そのためには、患者の心身の状態を観察し、在宅復帰に向けたアドバイスをする能力が必要です。
- 経験と細やかな気配り:老健では、ベテラン医師の経験と細やかな気配りが求められます3。キャリアが豊富な医師は老健で歓迎されるでしょう。
これらの点を考慮に入れつつ、自分のキャリアや働き方について考えてみてください。また、具体的な求人情報を確認する際には、待遇や勤務時間、施設の運営体制などを詳しく確認することも重要です。
医師募集における地域格差は、日本全体で深刻な問題となっています。以下にその主な原因と対策をまとめてみます。
原因
- 新臨床研修制度の導入: 新臨床研修制度が導入されてから、都市部での研修を希望する新人医師が増えました。これにより地方の大学病院で研修する医師が不足し、人手不足が起こります。
- 都市部での勤務を望む人が多い: 都市部のほうが医療機関の種類が多いため、自分に合った職場が見つけやすい傾向にあります。
- 地方での生活の不便さ: 地方では場所によって、電車やバスの本数が全体的に少なく車がないと生活ができないこともあります。
対策
- 地域枠制度の設置: 地方での医師不足解消の制度として、医学部に設置されている「地域枠制度」があります。
- シーリング制度の実施: シーリング制度は、診療科ごとに医師が過剰と考えられる地域で専攻医の数を制限する仕組みです。
具体的な地域による医師数の格差としては、2018年のデータによると、医師数が最も多いのは徳島県の329.5人、最も少ないのは埼玉県の169.8人で、約1.9倍の開きがあります。また、北海道では札幌市と旭川圏では医師の数が足りているものの、それ以外の地域は医療過疎が深刻で、この「二つの偏在」が地域格差に拍車をかけています。
以上のように、地域によって医師の募集状況には大きな格差が存在します。これを解消するためには、各地域の実情に応じた対策が必要となります。